- 2020.05.04
• 穏やかな看取りとお礼状
- 翔月庵 加古川
ご入居されたときから食事に関してすごく興味を持たれた方でした。
- 【ご利用者のご紹介】
昭和8年3月10日生まれ(享年87歳)男性
ご入居日:令和1年11月5日
既往歴:胸椎圧迫骨折・脳梗塞・前立腺肥大
ご入居されたときから食事に関してすごく興味を持たれた方でした。
特に缶コーヒーを飲まれるのを日課にされ、自販機で購入されては「美味しいし甘いなぁ」と仰り、定期開催している喫茶にお声かけすると「行くで!缶コーヒーとは味が違って淹れたては、やっぱり美味しいよ」と笑顔で優しく教えて下さるかたでした。
機能訓練にも積極的に参加して下さり、毎回一生懸命足を動かされる運動をされていました。イベントに参加された翌日には「昨日は楽しかった、ありがと~」と教えて下さり、スタッフの励みにもなっていました。
令和2年1月に既往歴の脳梗塞が再発し、退院され戻ってこられた際は「別荘に帰って来れた」と笑顔で仰っていましたが、嚥下機能低下がありコーヒーにトロミを付けたり、コーヒーゼリーを食後の楽しみにされ変化に対応し、ゆったり過ごされていました。
しかし、4月上旬頃から食事・水分があまり進まない状況となり、主治医から長女様へ状態説明され自然な形での看取りとなりました。職員間でカンファレンスを行い、出来る事(コーヒーを凍らせた氷を口に付け湿らせる、時間を見付け訪室し状態・様子を見る、手を握って話かけると頷いて下さるので行う等の情報共有を行い、長女様の面会時に関わった様子を伝えさせて頂く事と決めました。
永眠された当日は長女様が来所され様子を見られた後に、呼吸停止を職員が確認、心音聴取できなかったので主治医しその後、エンゼルケア実施しました。眠っておられる表情を拝見すると普段のように穏やかに旅立たれていました。長女様が到着されるまでの間は、大好きであったコーヒーを居室内で入れ、居室内がコーヒーの匂いで満たす対応を行いました。
看取り後の振り返りカンファレンスを実施し職員から出た意見を紹介します。
・コーヒーを凍らせた氷を口に付けて湿らせる対応は良かった。
・食事も大事だけど好きなもの(コーヒーやお肉等)を中心に提供しても良かった。
・手を握りながら話かけるときちんと反応をして下さっており、職員の声はきちんと届いているなと感じ不安感が軽減した。
・自然な形で苦しまなかった事が救いであった。看取りの関わりを行い、その方の優しさに私たち職員が包まれ色々な事を勉強とさせて頂きました。
後日ご家族から頂いたお手紙を紹介させて頂きます。
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