- 2015.09.26
リハビリを成功させる4つの要素
- アーチ・デイサービス 橘
アーチデイサービス橘の事例を紹介します。
<ご利用者>
81歳・女性・要介護4
29歳~61歳まで計31年間、経理の仕事に従事し、パソコン操作も覚え仕事と家庭を両立されていました。
<ご利用の経緯>
平成26年10月1日、自宅内にて突然、意識がもうろうとして動けなくなり、翌日、川崎病院へ入院。頸椎狭窄症、軽度脳梗塞と診断。
平成27年2月19日、ゆうこう病院へ転院され、杖歩行を中心にリハビリを行い、4月25日に退院。退院後もゆうこう病院の訪問リハビリを利用しながら、アーチ・デイサービス橘を体験利用されましたが、トレーニングがハード過ぎて続けられるか悩んだとの話もありました。しかし、自分よりも年齢の上の人たちが頑張っている姿をみて、「負けていられない」「自分のため」と奮い立たせ契約を結ぶことを決意し、正式に平成27年5月4日に利用開始となりましたが、当初は、スタッフの付き添いがなければ立ち上がることも歩くこともありませんでした。
<利用開始後>
理学療法士と、下肢マッサージ、圧迫療法、臥床状態での筋力トレーニングを始めましたが、利用開始前の時点で既に十分な歩行能力は残存していたと思われます。にも関わらず、歩行介助を要していた要因として「転倒に対する恐怖心が強かった(自信の喪失)」「筋力低下やバランス感覚の欠如による持久力低下やふらつきの出現といった自信喪失につながるだけの身体機能低下が存在した」ことが挙げられます。
徐々に歩行に対する自信も出てきたそんな中、自宅でできる歩行練習を教えて欲しいとリクエストがありました。また、デイサービスではバランス能力回復を図る為にレッドコード運動を開始、更に独歩訓練も実施いたしました。しかし、この時点ではバランス不良が目立っていたため、バランス不良改善の為に理学療法士指導のもと、左右重心移動を誘導してバランス訓練を実施いたしました。
8月になると…
他のご利用者がエアロバイクを使用している姿に興味を持たれ、下肢筋力アップを図る為、エアロバイクを開始されました。同時に訪問リハビリ時も自宅外周をシルバーカーを用いて歩行訓練を開始されました。
そして、9月初旬…
継続したトレーニングの結果、立位や歩行も大変安定され、自宅外周のみではなく、近所のスーパーまで買い物に行く練習も行うことも視野に入れられるようになりました。
ここまでの歩行状態の安定に至ったご本人にお気持ちを伺ったところ
・利用開始から現在までの実感できる“一番の変化”は?
→少しずつ体力がついてきたと実感している。
・アーチの良いとこは?
→職員の励ましや後押しがある。
・お一人で外出できるようになったらどこへ行きたい?
→近所のスーパーまで行きたい。
・今後の目標は?
→病院まで一人で行くこと。
・そこまで頑張れる原動力は?
→何事にもチャレンジする精神。家族の為、自分自身の為。
5ヶ月間の利用を経て、身体機能の変化もですが、精神面において、適度な自信(依存心・恐怖心の克服)、自制心をもてるようになったことで歩行能力が格段に回復しています。
将来への不安、転倒に対する恐怖心、他者への依存心といったネガティブな感情に囚われてしまうと、人は本来持っている能力を発揮できない状態に陥ります。しかし、少しのきっかけでポジティブな感情に変化させることができれば、本来備わっている能力を発揮できるのではないかと考えます。こちらのご利用者の場合、「アーチで他者が頑張っている姿をみて負けていられないと思ったこと」「トレーニングを重ねていくうちに自分にもできると自信を持てるようになったこと」「住み慣れた自宅で転倒し、自制心(慎重さ)も兼ね備えたこと」が現在の歩行レベルにまで回復したと考えます。
リハビリを成功させる上で必要不可欠な要素は次の4つ
①希望・・・夢を持つこと
②勇気・・・一歩踏み出すこと
③冷静さ・・・リスク管理できること
④忍耐・・・継続すること
これらの要素を含み、かつご本人の心の有り様を端的に表している発言です。
「独りで歩いてみようと思うので傍で見ていて欲しい」
サポートする側の人間として、
「希望」「勇気」「冷静さ」「忍耐」を兼ね備えた介護人になれるよう邁進します。
これからもご利用者の想いに応えられるように職員一同、全力で関わっていきます!!