- 2022.06.01
立てるように 俺は なる!!!
今まで出来ていたことが出来なくなってしまった自分の身体を目前にしたとき、現状のままでいいかとあきらめてしまい、自信をなくしてしまいます。そして、ただただ変わらない生活を送る・・・日々が過ぎてしまう・・・。
そんな生活から、アーチに来るということが楽しみにもなり「夜の王に俺はなる!!」
と、もう一度自分の足で立てることへの夢を持ち目標に掲げ、
声にあげ努力を始めたご利用者さまをご紹介いたします。
ご利用者 N様 昭和7年4月14日生まれ 89歳
性格は優しく見た目は紳士ですが・・・。
現在娘さま夫婦と孫さまの4人暮らし。キーパーソンは同居されて
いる娘さまです。
移動手段は車いす。アーチ利用開始時はピックアップ歩行器を使用
されていました。
既往歴
67歳 脳梗塞
72歳 胃がん発症も治療拒否し、好きなものを食べて治る
86歳 腰部脊柱管狭窄症 オペ
87歳 腰椎側弯症・腰椎椎弓切除
88歳 脳梗塞再発
89歳 腰痛悪化、変形性腰椎症と診断され急激に腰から下肢にかけて痛みが増悪し
車いす生活へ…。車いす生活になってからは、外出ができる環境を整えるため、玄関の段差用の電動リフト・電動ベッドなどを導入されました。
R3年1月からアーチをご利用されていましたが、ご自身の中で楽しさが見いだせず休みがちとなっておられました。
N様はもともと女性との関わりが好きで、身体を触る行為が多々ありました。スタッフもどのように接するべきか悩んでいました。
看護・介護をする上で、セクハラ発言や身体を触られたりする行為などには対応力が必要です。
しかし、やっぱりしてはいけないとはねのけることも大事です。そのためN様がスタッフにお触りすることに対してみんなが守りに入り、向き合うことが次第に欠けていきました。
そんな時、加古西に新たなスタッフが加わり、加古西の雰囲気を大きく変えました。意欲もなくスタッフに対して信頼もなかったN様に
対して、まずは明るく接し会話するようにしました。お触りやセクハラ発言に対してひるむのではなく、笑いに変えるように積極的に接していき、逆に立ち向かっていったのです。
「目には目を」「歯には歯を」「エロにはエロ」
で対応しました。するとN様の中のタガが外れたのか、隠れてコソコソ触ったりする行為が減り、笑いで終わるような会話の内容となり、ご本人も職員も笑顔が増えていったのです。
そしてN様のアーチへの気持ちの変化が起こり、
楽しさを見い出し、来所することへの楽しみをもてるようになり、休むことがなくなっていきました。N様は下肢の拘縮が強く、両膝は屈曲したままとなり伸ばそうとすると痛み、リフトでの入浴も痛みで嫌がり、入浴・移乗時ともに2人介助となっていました。
スタッフ間で「病院でのリハが必要なんじゃないか」と考え、N様に勧めていきました。
ご家族にもお話ししたところ、ご家族の思いもあって
後押ししてくださり、R3年11月~病院のリハビリに通うことになりました。病院でのリハビリとアーチでのトレーニングを両立することにより立位・移乗時の2人介助から1人介助が可能となってきました。
N様もそれを実感し、スタッフが褒めること、さらに叱咤激励することで本人の意欲向上となり、
病院でのリハビリ時に「立ちたい!!」という言葉が出るようにまでなっていったのです。アーチでは①手すり体操の立位訓練時、少しでも長い時間お尻が上がるようにする
②レッドコードでは、膝の屈曲を少しでも足を前にだして伸ばす
③足踏みでは、回数を周りと合わすのではなく、少しでも高く足をあげる等を重点的に取り組んでいます。病院でのリハビリの進行に合わせ、アーチでは1つの体操で何か「1つ」の動作を意識してもらうように
トレーニングを行っています。また入浴時の着衣では、リハパン→ズボン下→ズボンと一枚ずつ履くようにし、立ち上がりの回数をあえて増やしています。
最近では「膝が少し伸びるようになった」と嬉しい報告がありまし
た。
次第に病院でのリハビリが苦ではなくなると同時にアーチ利用
も苦ではなくなり笑顔が絶えることなく帰るようになっていきました。「歩く!立つ!」ということを再び目標にし、アーチに来ることが楽しみとなっていただけたことに感謝し、スタッフ一同今後も人と人の関わりを大切にして楽しみの場・夢を持てる場として日々邁進していきます。
前向きな気持ちに私たちが変える!!アーチは運動するだけではありません。
今回N様に接していくことで1人の気持ちの変化を目の当たりにして学びました。
ご利用者だけではなく、私たちの気持ちが折れてしまってはいけないのです。
身体の機能向上は少しずつでも「いいんです!!!」
健康になるためには「心」「気持ち」の前進がなによりも必要です。さあ!!!今日も奴の気持ちを変えに行こう!!!!!