Cina 株式会社シーナ
「あきらめない介護」、「明るい老後」、「望まれる給食」で
高齢化社会をサポートする株式会社シーナです。
事例紹介 事例紹介
  • 2020.02.01
  • 歩力・指力・口力・心肺機能力・脳力

  • アーチ・デイサービス 野口
  • 私たちデイサービス野口では、以前より、歩く力を向上させる「歩力」指先の力を向上させる「指力」や、嚥下機能を向上させ、安全・安心に食べる事が出来る「口力」及び「心肺機能力」など、利用者様の生活に直結出来るような支援、援助を心がけながら日々トレーニングに関わっています。

    「歩力」のトレーニングにおいては、今も以前同様に重要なトレーニングと位置づけており、屋外歩行訓練として翔月庵建物周辺の歩行や喫茶までを目標とした歩行訓練を実施してきました。しかし、最近の夏場の気温上昇やデイを利用される利用者様の顔ぶれが変わり体調面を考慮すると、屋外での歩行訓練が困難になっています。そこで、デイ野口では、屋内歩行訓練・立位訓練を定期的に実施することにしました。デイのフロア内を広く使い、利用者様一人ひとりに職員が付き添い、フロア内を3周から5周歩き、利用者様の歩行訓練および歩行状態の確認を行っています。立位訓練では、手すりで身体を支えながら15分から20分間行っています。それに加え、ご自宅を想定して実際のテーブルから立ち上がり動作を行い、「歩力」強化に努めています。日々のトレーニングの中に歩行訓練、立位訓練を取り入れ、歩行状態を観察、評価することで、個々の利用者様の何が不足しているのか、どんなトレーニング動作が必要なのか考察し、タオル体操、ボール体操、手すり体操などに生かすように心がけています。

    指先の力を向上させる「指力」のチューブ体操では、チューブを指先のみで持ち、引っ張り合う動作やペットボトル体操でのキャップの部分を指先のみで持ちクルクルと回転させる動作も繰り返し行っています。洗濯ばさみ体操では、洗濯ばさみを持ち、力を入れたまま20秒間保持する動作などを行っています。「指力」を向上することで、指先のコントロール能力を鍛えています。

    心肺機能を向上させる運動では、利用者様に声を出して頂けるトレーニングを心がけています。一つの動作を201セットやワンテンポ置きながら偶数の数字のみを声に出してもらい、しっかりと吸う、吐く腹式呼吸をしながらのトレーニングを毎日、毎回継続し、「継続は力なり」で、取り組んでいます。

    さて、皆様は一日一度は音楽を耳にすると思います。音楽は、その日一日を良い気分にさせたり、ちょっとした気分転換をさせてくれますが、音楽には気分を上げて運動する力や癒す力があります。また、脳に働きかけるので、一度覚えたものを思い出す助けになるとされ、アルツハイマーの患者が記憶を取り戻すのに使われます。とくに、私たちは知っている音楽を聴くと記憶をつかさどる脳の海馬が刺激され、かつてその曲を聴いた時に体験した記憶が蘇るそうです。これは、科学的に証明されています。

    難しいことを言いましたが、今皆様思い出してみて下さい。小・中学の体育では「ラジオ体操」をしませんでしたか?「ラジオ体操なんて何年もやっていないから覚えてないわ!」と、今 思った方、ラジオ体操を聞いてみて下さい。「さあ、皆様、身体がなんとなく動きませんでしたか?」

    これが、記憶をつかさどる脳の海馬が蘇り、一度覚えたことを思い出すということです。

    今回、この科学的に証明されていることを日々のトレーニングに生かせないかと考えました。そこで、トレーニングと音楽のコラボレーションをして、デイサービスで覚えた、聴いた音楽をご自宅で聴くことで自然に身体を動かす事が出来る脳の力 「脳力」になれば、アーチが掲げているご自宅でも出来るトレーニングを実践出来るのではないかと考え、取り入れていきました。

    まず、どんな音楽が良いのか調べると、テンポの速い曲は心拍数も上がり、心肺機能を高め、体内の抗体レベルも上がることがわかりました。そこで、テンポが速く、利用者様が好む音楽を流しながらトレーニングを実施しています。さらに、「脳力」を向上させる為に、利用者様のなじみの深い歌を使用し、掛け声を歌に変えながら身体も同時に動かすトレーニングを一部取り入れています。

    つぎに、トレーニング時の掛け声を「いち・にー・さん」のみではなく、昔のかぞえ方「ひー・ふー・みー」 英語が得意な利用者様のために、「ワン・ツー・スリー」 中国で育った利用者様のために、「イー・アー・サン・スー」と、数え、個々の利用者様に合わせることで声を出す頻度を多くしました。さまざまな国の数を数えることで他の利用者様にとっても脳の活性化が図れるようになり、「脳力」の相乗効果が期待できるようになりました。

    さらに、トレーニング後は、筋肉を緩めてほぐす温熱療法のホットパック時には、モーツアルトなどのクラッシック音楽を流すことで、ゆったりとした気分になり癒し効果が向上し、ストレスの軽減と免疫力アップにつなげ、「脳力」の向上を図っています。

    までのトレーニング効果で、指先に力が入るようになりタオルを干すことができるようになった方、折り紙を折ることが出来るようになった方、口腔体操を継続したことで心肺機能が増加し、風船を膨らますことが出来るようになった方など、結果が表れています。

    私たち、アーチデイサービス野口では、これからも「歩力」「指力」「心肺機能力・口力」「脳力」を常に念頭におき、利用者様が、目標に向かってトレーニングに取り組むことが出来、その結果、日常生活動作がスムーズに行え、安全・安心に生活出来るように支援・援助出来るように携わって行きたいと思います。