事例紹介 事例紹介
  • 2019.01.28
  • 杖歩行から歩行器歩行は後退?より安心な歩行環境を

  • アーチ・デイサービス 加古川西
  • M様(83歳) 

    大腿骨骨折や両膝変形性関節症に加えてパーキンソン症候群の既往があります。当初は杖歩行で移動されていましたが、典型的な「小刻み」「摺り足」歩行をされており、つまずきやふらつきが多く認められ常時見守りもしくは一部介助を要する状態でした。実際、ご自宅では何度も転倒されていました。

    転倒リスクを軽減するために「私たちに出来る事はないか」と模索していたある日、他のご利用者が使用されていた歩行器で試しに歩いていただいたところ、それまでと打って変わって摺り足や小刻みが減少し安定した歩行になりました。その情報をご家族に提供したところ、実はご自宅では、歩行器があるが、使用されていないとの事でした。

    それからは、ご家族のご了解を得て利用日には必ず持参いただき歩行器歩行の機会を提供することになりました。最初は、使い勝手が悪く、「杖のほうが良い」と歩行器を置いて歩こうとされることも多くありましたが、時間と共に徐々に慣れてこられるとスムーズに歩行することが可能となりました。現在は施設内では遠位見守りのみで移動されています。ご自宅でも使われているようで、その後転倒されたことはありません。また、歩行改善との因果関係は不明ですが、以前は不安定だった立ち上がり・着席動作も現在はスムーズに行われています。

    ◎当事例での気付き

      杖歩行から歩行器歩行への変更は、一見“後退”とも思えることですが、実はとても有効な手段になり得るということを教えていただきました。パーキンソン症候群のせいもあるでしょうが、杖歩行をされていた(転倒が多かった)頃はきっと歩くことが怖かったのではないか、その結果として全身がこわばり摺り足・小刻みが強く出現していたのではないかと・・・

    一歩後退だとしても、より安心安全な歩行環境を提供することで自信の回復とともに歩行の改善をもたらすこともあるのだと気付いた事例でした。