Cina 株式会社シーナ
「あきらめない介護」、「明るい老後」、「望まれる給食」で
高齢化社会をサポートする株式会社シーナです。
事例紹介 事例紹介
  • 2017.10.01
  • 11年間の思い出。最後も笑顔で!

  • アーチ・デイサービス 加古川西
  • この度、11年間利用されていたご利用者が他の施設に移られた為、
    アーチ・デイサービス加古川西を終了されました。
    ご利用者のおもいでを振り返ります。

    【プロフィールのご紹介】

    ウェディングドレス昭和2年7月14日生まれ 90歳 7人兄弟の末っ子で、44歳の父と45歳の母の間にお生まれになられました。

    1番上の姉とは20歳の年齢差があるそうです。

    戦時中、女学校卒業後2年程小学校の先生をされ、その後19歳で結婚、20代で3人のお子様を授かられました。出産後、働きに出ることはなく農作業を手伝ったり、洋裁学校に約10年通い、子供やご自分の服を作っておられました。一度も服を買うことはなかったそうです。何事も一生懸命で完璧主義の性格の為、洋裁の腕前は先生並みだったそうです。

    現在、お世話をされている次女さまのウエディングドレスも作られました。拝見させていただきましたが、それはそれは繊細な作業で細部まで細かく丁寧に作られていました。ご本人の決して細くない指でとても細やかな作業をしていらっしゃり、性格が伺えるのと同時に次女さまへの愛情も感じられ深く感動しました。

    ご自身の洋服も見せていただきましたが、襟や袖口、ボタンホールなども全て丁寧に手作業されていらっしゃいました。

    既往症について、71歳の時に左腎臓ガン手術、73歳の時に左肺ガンで左肺1/3切除術 81歳の時に子宮体ガン手術をされています。

    73歳の肺ガンの手術後、腎臓ガンで服用の薬の副作用のため物忘れがあらわれ、大好きな洋裁が出来なくなりました。

    【アーチを利用された経緯について】

    もともとご夫婦二人で生活をされていましたが、平成17年ご主人が脳梗塞で倒れ入院、退院後徐々に夫婦共に物忘れがひどくなられました。ご夫婦二人での生活は不安になり、隣に住む次女さまが、援助をされるようになりました。その頃に認知症と診断され、ご主人のケアマネジャーにご利用者の相談を持ち掛けたところ、要介護1の認定でアーチ・デイサービス加古川を紹介され、平成18年10月4日 アーチ・デイサービス加古川を体験されました。ご本人はもともとおしゃべりが得意でなく、また外に出ることが少ない生活をされていたので、デイサービスに行くことにご本人はとても不安を感じられたそうです。その為、当初は週2回から利用されました。平成21年、認知症進行により要介護3と認定されましたが、ことのほかアーチを気にいってくださり徐々に利用回数を増やし、毎日利用されるようにまでなりました。ご利用からの5年ほどは普通に会話でき、杖をついて歩ける状態でした。その後、アーチ・デイサービス宝殿が新設されご自宅から近い宝殿に代わってからも引き続きご利用して頂きました。

    平成22年2月にご主人が亡くなられ、その頃から少し疲れたら車イスに乗るようになられました。若い頃、農作業で重いものを持ったり運んだりしていたので膝が弱くなっていきました。

    平成25年11月 アーチを利用中、膀胱炎をおこし救急搬送され3日間入院されました。退院後はほぼ歩けなくなり車イス生活になっていきました、その後 要介護4に認定されました。

    平成26年1月には車イスでトイレに入れるよう自宅の改修工事をしました。この頃には完全に歩けなくなられました。

    話すことも少なくなり、歩行においては、杖1本が杖2本になり、入院をきっかけに車イスへと徐々に徐々に移行していきました。

    自分で食事をすることもほぼ出来なくなって、時間がかかる、こぼして汚すという状態になられ、アーチではご自分でお椀を持ちスプーンを口に運ぶことは出来ていましたが風邪をひかれた事をきっかけに自分で食べる事は出来なくなりました。ただ、胃腸は丈夫な方で嚥下にも問題なくいつもきれいに完食されていらっしゃいました。

    平成29年1月には要介護5に認定され、トレーニングにもほとんど参加されなく、食事と入浴、ご家族の介護負担軽減の目的で利用されていらっしゃいました。

    主介護者の次女さまがご利用者のひ孫様のお世話もしなければならなくなり、ご利用者の状態変化もあり、デイサービスを卒業し、違う形のサービスを選択することになりました。そして、アーチでの11年ご利用に終止符をうたれるご決断をされました。ご本人と他のご利用者、スタッフとの思い出はたくさんたくさんあります。後半には言葉を発することはほとんどありませんが、こちらのお話はよく理解されていらっしゃり、いつもにこにこ微笑み、「あっ、そう」とあいづちをうってくださる姿はスタッフや他のご利用者の癒しになっていました。

    集合写真

    最後の日はご利用者全員とスタッフで写真を撮りました。その日はご本人もいつになくしっかりされ笑顔が多かったのが印象的でした。今日がアーチ最後の日ということをきっとわかっていらっしゃったのでしょう。

    皆様に親しまれとても心温まるひとときで、スタッフにとっても「この仕事をしていてよかった!!」と思える時間でした。

    現在もお元気に、ご自宅近隣でお孫様が勤務されている小規模多機能の施設をご利用されています。